去る11月11日に名寄市総合福祉センターにて、名寄市(名寄市地域包括支援センター)、名寄市ケアマネジメント研究会、北海道介護福祉士会道北支部との共催により実施した市民公開セミナーは、当初申し込みを3倍近く上回る約170名近い方々にお越しいただきました。事前申し込みの状況から見込んで用意していた資料が足りなくなってしまい急遽増刷したり、当初用意していたいすも不足気味で開始直前に追加するくらいの盛況ぶりでした。
まず基調講演として、名寄ひまわり基金法律事務所の弁護士である中島正博さんから成年後見制度についてお話をしていただきました。成年後見制度の概要及び制度ができた趣旨、成年後見の類型等について解説をしていただきました。
続いて、講談師神田織音さんによる成年後見講談三話ですが、この時点で時間に余裕があったため、神田さんのサービスにより古典講談「五郎正宗孝子伝」を披露していただきました。うるわしい人情噺(ばなし)に参加者の皆さんの緊張も幾分緩んだかのように見受けられました。
その後、成年後見講談が披露されました。第一話「認知症の老人を食い物に~過剰工事…三年間で数千万円分」では、過剰なリフォームを契約させる悪徳業者に付け込まれて次々契約をさせられてしまった認知症の老姉妹をめぐる成年後見に関するお話を、第二話「経済的虐待を防ぐために~家族による預貯金や年金の使い込み」では、近所に住む実の息子に預貯金を使い込まれてしまった母親をめぐる任意後見に関するお話を、第三話「ナオト君だって一人の人間なんだよ~親亡き後を心配して」では、いわゆる重症心身障害の子を持つ親にとっては切実な問題である親亡き後の生活支援に関するお話を聞かせていただきました。各話の後には、成年後見・任意後見等についてを中心とした、道北地区支部会員による内容の解説を行いました。
特に第三話などには、思いが重なってしまいついつい涙が・・・、という方がちらほらいらっしゃった様子でした。神田さんの名調子に、参加者の皆さんも成年後見に関する理解が進んだのではないかと思われました。
会員向け秋季セミナーの実施内容につきましては、会員専用ページの「会員の皆様へのお知らせ」のページに掲載いたしておりますのでご覧ください。